機械学習理論研究室 ← AI体験の一覧

次の語の引き方

机の上に箱を並べ、中から単語カードを1枚ずつ引いていくと、文ができあがります。ChatGPTのようなAIがやっていることも、もとをたどればこれと同じ「次の語を選ぶ」のくり返しです。どこまでが同じで、どこから違うのかを確かめてみましょう。

机の上の15個の箱

中身が見える透明な箱です

箱には語のラベルが貼ってあり、中には単語カードが入っています。ここに入っているのは、次の5つの文を切り分けたカードだけです。

猫が/ネズミを/追いかけた。/それは/速かった。
犬が/猫を/追いかけた。/それは/怖かった。
ネズミは/机の下に/隠れた。/それは/静かだった。
ネズミは/チーズを/食べた。/それは/おいしかった。
猫は/窓から/外を見た。/それは/きれいだった。

箱の中のカードは、上の5つの文から機械的に作ったものです。「猫が」の箱には、5つの文の中で「猫が」の次に来た語だけが入っています。カードの枚数は、その続き方が何回出てきたかを表します。1枚しかない箱は1回しか出てこなかったということで、そこでは次の語が決まってしまいます。中身は人が選んだのではなく、文章を数えた結果です。

カードを引いて文を作る

引いたカードは必ず箱に戻します
引いたカードがここに出ます
(まだ1語も引いていません)

まず「START」の箱から、中を見ないでカードを1枚引きます。読んだら、そのカードを同じ箱に戻します。そして、いま読んだ語と同じラベルの箱へ移ります。これをくり返すだけです。

引いたカードは、必ずその箱に戻します。戻さないと箱の中身が減っていき、次に引いたときの出やすさが変わってしまいます。この箱の中身は、最初から最後まで一切変わりません。出やすさが固定されているということです。あとでこの点が効いてきます。

この文が出てくる確率

1語引くごとに1行ずつ増えます
どの箱から引いた語箱の中の枚数確率
まだ引いていません

カードが1枚しか入っていない箱では、確率は 1(かならずその語になる)です。掛け算した値が、その文が出てくる確率になります。

何度か引いていると、たとえば「犬が猫を追いかけた。それはおいしかった。」のような文が出てきます。追いかけられた猫がおいしいわけではありません。日本語としては読めるのに、意味は通っていません。

なぜこうなるのでしょうか。箱を選ぶとき、見ているのは直前の1語だけです。「それは」の箱に来た時点で、その前が「追いかけた。」だったのか「食べた。」だったのかは、もう分かりません。だから「おいしかった。」が引けてしまいます。

では、もっと前まで見るようにしたらどうなるでしょうか。